私の呼ばれた道

2019年04月04日

 聖心女子大学での生活は、地方の県立高校出身の私にとって、大学の選択を間違ったかと考えるほど驚くことばかりでした。 そんな私が洗礼を受け、しかも聖心会の中で生涯を修道女として行きたいと強く望んでいることに気づいた時、誰よりも一番驚いたのは私自身でした。 その時から半世紀余経った今、私がここにこうして居ることは、神様がいらっしゃることの何よりの証しであると思っています。

 大学に入ってから二年あまりの間、聖心の教育方針を頑なに拒否し、批判ばかりしていた私を、心から大切に思ってくださるシスターたちの温かくやさしい愛に気づいた時、私は自分もこの方たちのように生きたいと思いました。教育は目前の成果ではなく、いつか将来、私達の知らない何処かで実りを結ぶことを信じていくものであることも、恩師であるシスター方の生き方から学びました。

 学校を退職した今、教え子たちが、私自身の至らなさにも関わらず、立派な尊敬できる女性に成長し、家庭に、社会に貢献している頼もしい姿を見て、神様は一人ひとりのうちに、自ら成長する力をおあたえになるということを知りました。 そして、彼女たちの成長のある時期を共に過ごすことを許されたことへの感謝と深い喜びを感じています。(T.F.)